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我が家の出来事、趣味と生活を通じて感じたことなど


by arai_family
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豊橋総合動植物園

 豊橋というと大府からはおおまかに言って50kmも離れているから、この界隈に住んでいる人から見れば「その周辺」というカテゴリーに入れるのはおかしいが、全国的な規模で見ると「その周辺」でもよく、要するに比較の問題であり、私が読者をどなたに想定しているかである。昔、ホームページ作ってを初めて立ち上げた時には、たまたまご近所に住むかみさんの友達も見てくださってメールをいただいたこともあったが、どうもこのブログはそのようなことが少なく、ちょっと淋しい。ともあれ、このゴールデンウィーク唯一のイベントとして、「私はたまった家事をやりたいから行きたくないわ」と渋っていたかみさんを諭して、昨日の子供の日にクルマででかけた。
 息子に「動物園と養老の滝と潮干狩りのうち何がいい?」と聞くと、「なんでもいい」という。「私は牛を見るのが楽しみだよ」といつもながら訳のわからないことを言う娘に、「牛だったら動物園ではなくて、牧場だろう」と言う。よく娘の戯言に振り回されてきた私だが、今回は動物園へ行くことにした。また、豊橋へ出かけるとも言わないから到着まで名古屋市内にある「東山動物園」へ連れて来られたと思っていたようで、「高校1年にもなって、車窓からの景色からある程度わからないものかな?」とも思う。他方ではかみさんも国道23号線を走っているにもかかわらず、伊勢湾岸道路の刈谷サービスエリアにある「観覧車を見に行きましょうよ」などと言っているから娘ばかりを責められず、また我が家がいかにレジャーから遠ざかっているかということの証として、私自信を責めなければならないのだろう。
 蒲郡まではスムースであったが、蒲郡が「ラグーナ」を中心とした観光地であるから渋滞する。蒲郡から豊橋までも結構時間がかかったが、動物園近くの国道1号線は大渋滞で、「事故でもあったのか」と思うほどであったが、まったく動物園への車列が通過する車両を邪魔しているだけであった。ある程度は覚悟していたが、近くのマクドナルドで昼食を済ませた後、駐車場に入るのに1時間ほどもかかってしまった。子供の日に加えて、万博でも展示された冷凍マンモスと今春オープンしたばかりのオーストラリア園によるところが大きいのだろう。10時前に家を出たにもかかわらず、入園できたのは2時過ぎである。
 数ヶ月前にテレビで昨今の動物園の不人気ぶりが紹介されていた。人気がないから収入が減って整備に金が回らず、整備されない公園へ行っても気持ちが晴れないので行かない。動物園のデフレーションである。昨秋、クルマに興味があるわけでもない息子を東京モーターショーへ連れて行った翌日に、両親もさそって東武動物公園へ行ったものだった。休日にも関わらず入園者が少ないのには驚いた。園内は整備が行き届いているとは必ずしもいえず、各所で行われていた小イベントに入園者増加の期待を感じたが、残念ながら功を奏しているとは言いがたいだろう。比べて悪いがこの動物園は安い入園料にもかかわらず、マンモスやオーストラリア園を除いても、とても整備が行き届いていて気持ちが良かった。いくら安くレジャーを楽しみたいからといって、レジャーは気晴らしであって、気の晴れないようなしみったれた整備状況ではダメだ。動物園の再建には文字通りの「客寄せパンダ」は必ずしも必要なく、きちんと公園として整備することが絶対条件だろう、とまたまた辛口のことを言ってしまった。ともかく、おそらく当時は息子がいなかった数年前の記憶をたどりながら園内を散歩する。
 中央入口を入ってすぐにオーストラリア園がある。ワラルーの母親が、口からよだれを出しながらゆっくりと動きまわる子供を追う。親と子の関係は、私たち人間の関係と擬えられて見ていて飽きることがない。動物園ゾーンをゆっくり一周する。どこの動物園にも触れ合いゾーンがあって、我が家の子供たちも羊や豚に触っていたが、もはや順番を待ってまでモルモットを抱っこせず、そこに淋しいが子供たちの成長ぶりを感じる。「ビールを飲まないとレジャーって感じがしないわ」というかみさんに同意しなくはなく、園内の売店にビールが見当たらないのは残念で、お茶を飲みながら「みたらし団子」を食べる。極地動物園で白熊を見つけることができなかったが、エンペラーペンギンが見事な体つきで行進するのはなかなか見ごたえがあった。とはいえ、この動物園での一番見ごたえがあるのは、おそらくアフリカ園であろう。広大な敷地の中にシマウマやフラミンゴがいて、借景の山並みの中によく映える。対照的に狭い場所に閉じ込められた象やライオンが気の毒にも思える(いっしょにしたら大変だろうが)が、これも比較の問題であって、彼らはもともとはアフリカの広大なサバンナの中にいたのであった。豊橋総合動植物園_b0042445_1251131.jpg 
 園内には地上37mという立派な塔があって、ここの無料展望台から周辺を見渡すことができる。1階売店でようやく生ビールにありつくことができた。窓から入り込む春風が気持ちがよい。「お父さん、その格好は動物園には相応しくないよ。いつまでそんな格好をするの。のび太くんみたい」とうるさい娘である。私は夏の休日にはいつもこの格好で、今日の最高気温は28度になると根拠なしに断言する気象予報士であるが、予報が外れてポロシャツと半ズボンでは夕方は肌寒くなってきた。園内の遊園地でジェットコースターとスーパースイング(写真、縮小してあるので表情まで読み取れない)に乗りたがっていた息子であるが、他の3人は誰も付き合わない。私は正直なところこれらの乗り物が苦手である。娘に「付き合ってやれ」と言っても付き合わない。仕方なしにひとりで乗る。どちらの乗り物でも動きはじめると顔が強張り、終わると緊張し切っていた。私たちがその緊張し切った顔を茶化すと、魔法でも解けたように笑顔にもどるから可愛い。将来女の子とデートした時に茶化されるなよ!
 植物園を見る。温室にある南国の植物の大きさに圧倒される。食虫植物のつぼみの中には確かに虫が入っていることを姉弟で確認していた。大オニバスの上にこともあろうに硬貨を投げる不心得ものがいて呆れたが、呆れている親父の前で我が愚息も同じことをしようとしたので止めさせた。「やめなさい! 植物が傷むし(現に傷んでいる)、無念な気持ちで毎日拾わなければならない係員の仕事が想像できないか!」。大きな葉のところどころにある傷み具合に目をやる親父の真面目な顔つきに怯んで止めた。教育には想像力を養うことが含まれる。温室から出ると、バラはまだつぼみのものが多く、「ひと月早かったわね」とかみさんの残念そうな口ぶりであった。「ぼちぼち帰ろうか。出口はどっちかな。ちゃんと連れてってよ」。出口近くにある自然史博物館。思いかえすと大きな恐竜の像が前にあるこの建物には、恐竜の模型なども展示されているのだった。「見たいよ」という息子であったが、もはや5時を回っており閉園まで時間がない。「また今度ね」「そんなに気に入ったのなら、また●●ちゃん(近所の遊び仲間)と3人(この私)で来ればいいわ」。夏休みにでも実行してやろうかな。
 わいわいと楽しんだ動物園だったが、帰路もやはり渋滞。帰りは国道1号で音羽蒲郡から東名に乗ろうと思っていたが、豊橋市内はもとより「渋滞 岡崎出口15km」の表示に岡崎まで地道を走る。岡崎から豊明まではスムーズで、共和ICにたどり着いたのは7時過ぎだった。近くのスーパーで寿司を買って家で食べたが、4人前はあっという間になくなった。食後は私を除く3人でUNOをキャーキャー言いながら楽しみ、さらにかみさんと息子は将棋を指していた。充実した1日だった。
by arai_family | 2006-05-06 07:44 | 大府とその周辺